こんにちは!
いつもビュティーラボをご覧いただき、
ありがとうございます。
今回、「ビュティーラボ」では、
食物繊維という言葉は誰もが一度は聞いたことがあると
思いますが、不溶性食物繊維と
水溶性食物繊維があるのはご存じですか?
この2つ、実は大きな違いがあるんです!
便秘に良いなどで、違いを知らないで食べていると、
かえって便秘を悪化させるなんて事になり得る可能性が・・。
そもそも、食物繊維とは、
「人の消化酵素で分解されない食物中の総体」
と定義されています。
つまり消化管の酵素によって分解されるタンパク質や
脂質、糖質などとは異なり、食物繊維は消化酵素に
分解されることなく小腸からさらに大腸まで届けられます。
分解されないからこそ、この食物繊維には、大切な役割があるのです。
また、先述したとおり、食物繊維は2種類ありますが、
このうち「不溶性食物繊維」は、水に溶けない食物繊維であり、
一方の「水溶性食物繊維」は水に溶ける性質をもっています。
食物繊維がもつ働きが明らかになるにつれて、
五大栄養素に次ぐ第六の栄養素ともいわれ注目されています。
【不溶性食物繊維】
腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を盛んにし、
腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を盛んにし、
消化管を通過する時間を短縮させます。
消化管内で水分を吸収して容積を増加させます。
そして糞便の量を増やし、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。
また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、
腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。
【水溶性食物繊維】
水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。
小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、
食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。
また、コレステロールを吸着し体外に排出することで
血中のコレステロール値も低下させます。
さらに、ナトリウムを排出する効果もあるので、
高血圧を予防する効果もあります。
食物繊維は低カロリーで肥満の予防にもなるので、
糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな
生活習慣病の予防に効果があります。
また、どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、
ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、
腸内環境が改善されます。
便秘の人から考えると、便の体積(量)を増やしたい、
または腸を動かしたいなら「不溶性食物繊維」を多く摂取し、
便を軟らかく(ゼリー状に)したいと思ったら「水溶性食物繊維」を
摂る必要があるということですね。
では具体的に、どんな人がどっちの繊維を意識して摂るべきなのでしょうか?
★☆便秘のタイプ別摂取した方がいい食物繊維☆★
★腸が動かない(弛緩性)タイプの便秘の場合
便の回数が少ない・お腹があまり動かない(ごろごろ言わない)
年をとってからの便秘(蠕動運動する回数が減った)の人は、
「不溶性食物繊維」をたくさん摂ると、便の体積が増え、
腸が刺激されて動きやすくなります。
★腸が変な動きをする(痙攣性)タイプの便秘の場合
おなかはごろごろいっているのに便が出てこない。
いつもコロコロ便・便秘と下痢を交互にする。
環境の変化(思春期、進学・就職、結婚など)が便秘のきっかけになった
というタイプの人は「水溶性食物繊維」を多く摂りましょう。
逆にこのタイプの人が「不溶性食物繊維」を多く摂ると、腸が刺激されすぎて、
かえって腸管の大きな運動(蠕動運動)がおこりにくくなり、
コロコロ便が促進されることがあります。
★現代の日本人では食物繊維が不足しがち★
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)では、
1日の目標摂取量を成人女性で18g以上、成人男性で20g以上と定めていますが
「平成28年国民健康・栄養調査」を見ると、30代女性で
1日あたりの平均摂取量は11.9g、40代女性で12.4g、
50代女性で14.2gと、どの年代も目標量に届いていません。
なかでも、水溶性食物繊維の摂取量が少なく、30代~50代の女性を通して
目標の1/3程度しかとれていないことも明らかになっています。
では、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は
どの食材に多く入っているのでしょうか?
★不溶性食物繊維の多い食材
大豆、ごぼう、豆類、甲殻類の殻、きのこなど
★水溶性食物繊維の多い食材
熟した果物、芋類、(キャベツ・大根などの)野菜類
こんぶやわかめなどの海藻類、大豆等
食品の中には、水溶性と不溶性両方の食物繊維を含む食品もあります。
特に納豆は水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれている食品です。
食物繊維を生野菜のサラダで摂取しようとしても、意外に量をとれないものです。
野菜は、ゆで、焼く、蒸す、煮るなど火を通してたっぷりとりましょう。
また、白米より、未精製の玄米などには食物繊維が多く含まれているので、
これらを主食として食事にとり入れると良いかもしれません。
食物繊維は種類によって生理作用が違いますので、
不溶性・水溶性のどちらか一方を摂取するのではなく、
さまざまな食品を組み合わせて両方をバランスよく摂取することが大切です。