こんにちは!

いつもビュティーラボをご覧いただき、

ありがとうございます。

今回、「ビューティーラボ」では、

睡眠って何で必要なの?

ただ睡眠時間を多く取れば良いというのではなく、

良質な睡眠を取るために必要なことは何?

というテーマで書いていこうと思います。

【睡眠の必要性】

・記憶の整理・定着

皆さんも嫌な出来事があったとき、一晩寝たらスッキリしたなんて

経験ありますよね?これは睡眠時に嫌な記憶が整理され、必要に応じて消去される

からなんです。また学習した記憶が睡眠によって定着・保持されるだけでなく、

むしろ向上・強化されることも分かっています。

だから試験勉強などは、徹夜でそのまま試験に臨むのではなく、

一度少しでも寝た方が良いのですよ。

・成長ホルモンがたくさん分泌される

昔から「寝る子は育つ」と言いますが、これは寝入りばなの数時間で

成長ホルモンがたくさん分泌され、子供の骨や筋肉の成長を促すためです。

そして、その成長ホルモンの役割は、アンチエイジング(抗加齢)にも

一役かっているのです。このホルモンは、肌や筋肉、骨、内臓の傷んだ細胞を

修復し新陳代謝をサポートし、免疫力や脳、視力の働きを強化するほか、

コレステロール値低下の作用もあります。

逆に睡眠不足になると脂肪細胞から分泌される食欲を抑制するレプチンという

ホルモンが減少し、胃から分泌される食欲を増すグレリンが増え、

生活習慣病を発症する可能性が高まります。

・免疫力向上

「風邪はよく寝れば治る」と言いますが、これにも根拠があります。

睡眠前から睡眠期前半にかけて多く分泌されるメラトニンというホルモンは

胸腺という臓器に働きかけて、免疫の主要な働きを担うTリンパ球というものを

たくさん作らせ、ウィルスや菌をやっつけに行きます。

またインフルエンザなどの予防接種の効果も、どれだけ睡眠時間を取ったのか

によってインフルエンザにかかるか、かからないかの差があることも報告されています。

・脳の老廃物を睡眠中に脳脊髄液というところに洗い流す

アルツハイマー病の原因でもあるアミロイドβ(ベータ)というタンパクなども

主に睡眠中に脳脊髄液中へと洗い流されています。だから睡眠不足の現代人は、

そのアミロイドβが脳に蓄積されて、いつかアルツハイマー病発症という

リスクもありますので、しっかり睡眠時間を確保するのも必要ですね。

【良質な睡眠を取るために必要なこと】

では、良質な睡眠とはどういうものでしょうか?

その鍵となっているものがいくつかあります。

★その1:”朝””太陽の光”

2017年にアメリカの科学者が「体内時計」とそれをコントロールする

「時計遺伝子」というメカニズムを明らかにしノーベル医学・生理学賞を

受賞しました。これは、人は地球とともに何十億年かけて獲得した

サーカディアンリズム(概日リズム)というものがあります。

このおかげで人間は朝に目が覚め、夜眠くなります。

約24時間周期のサーカディアンリズムを生み出しているのが「時計遺伝子」です。

ところがこの体内時計の周期は24時間11分と言われており、

地球の自転である24時間とは約11分間のずれがあります。

これを日々修正しないと体の調子は乱れる一方になります。

そこでこのズレを修正する役割を担っているのが太陽の光です。

朝起きて太陽光を浴びると体内の時計遺伝子のスイッチがリセットされます。

そしてそれから約15時間後に眠気を促すメラトニンというホルモンの分泌が

始まるよう遺伝子に書き込まれます。

このような規則正しく安定した睡眠サイクルを持続させるために、

安定した良質な睡眠を得るために、毎朝できるだけ決まった時刻

(6時から7時頃)に起きて朝陽を浴びましょう。曇りでも構いません。

雨であれば窓際に数分たたずむだけでも良いのです。

そうすることで血圧や体温、代謝などのコントロールが開始され1日が始まります。

★その2:朝食

良質な睡眠の二番目の鍵となるのが朝食です。

起床後1時間以内には朝食を摂りましょう。

消化活動が腸の時計を直接リセットします。できれば睡眠ホルモンである

メラトニンの原料となるトリプトファン(必須アミノ酸の一つ)を多く含む

乳製品、卵、納豆、鶏肉といった食材を摂りましょう。

朝食を抜いたりすると起床後約15時間で分泌の高まるメラトニン産生が乱れ

睡眠の質が下がる可能性があります。

★その3:運動

体を動かすと、骨格筋の「PGC1」というタンパクが増加し、

体内時計のスイッチを押します。大げさな運動である必要はなく、

顔を洗う、歯を磨く、ごみ捨てに行くといった日常的な動作で良いのです。

以上のようなことから、例えば朝6時に起床し朝陽を浴びて、

トリプトファンを含む朝食を摂り、日常動作を行えば、

約15時間後の21時ころからメラトニンの分泌が始まり22時~23時ころには

眠気を催してくるはずです。ここで素直に眠ってしまえばよいのですが、

現代人はこの時間帯を忙しく過ごす人が多く、せっかく備わっている

安眠メカニズムを乱しているのです。

メラトニンは、睡眠を促し免疫力アップに働くだけでなく、

成長ホルモンと並ぶアンチエイジングホルモンとして

体内に発生する活性酸素を除去(抗酸化作用)し、

老化や病気を未然に防いでくれます。

【良質な睡眠のために気を付けるべき3つのこと】

★その1: 睡眠時間

成人では、睡眠時間が7時間の人たちに比べて、3時間半~4時間半の人たちと、

8時間半の人たちはともに死亡率が15%も高かったという結果があります。

そのため、成人ではおよそ7時間の睡眠時間を目標としてください。

★その2:光の調整

就寝の準備時間になったら光に注意しましょう。部屋の電灯はオレンジなどの

暖色系の間接照明などにして、眠気を妨げないようにしましょう。

スマホのブルーライトはメラトニン分泌を抑制するほどの強い光ですし、

その電磁波はメラトニンを破壊するとも言われています。

そのため、夜10時以降のスマホ使用はできるだけ控えましょう。

★その3:入浴

良質な睡眠のためには入浴の仕方にも気を使いましょう。

入浴する時間は就寝の1~2時間前が理想的です。

ぬるめのお風呂にゆっくり浸かり、体温を上昇させます。

すると副交感神経というリラックス時に働く神経が優位になり、

体の興奮は鎮まり、毛細血管への血流がアップします。

お風呂から上がると体表の毛細血管より熱の放出がスタートし、

体温はスッと下がり始め、徐々に眠気が訪れやすくなります。

風呂場の灯りが明るすぎたり湯が熱すぎると

逆に交換神経という活動をさかんにする神経の方が優位になり、

体が興奮し逆に寝つきが悪くなりますので注意しましょう。